大判例

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広島高等裁判所 昭和27年(う)744号 判決

訴訟記録を精査するに本件の被害物件の所有者である小早川奨方の留守番は被告人の長女森喜代子であつたのであるから、被害物件は同人の占有下にあつたものであることは所論のとおりである。然しながら本件の物件は、いづれも小早川奨の所有に属し、且同人の居室に置かれていたものであつて、同人の占有下にあつたものであることは明らかである、すると本件の物件は森喜代子及び小早川奨の二重の占有下に置かれていたものということが出来る。従つて之が占有を侵奪した被告人の本件行為については森喜代子に対する関係に於ては所論のように刑法第二四四条第一項の規定を適用すべきではあろうが、右のように所有者としての占有権を有している小早川奨に対する関係に於ては同規定を適用するの余地は見出し得ないから原審が同規定を適用しなかつたのは正当であつて原判決には所論のような違法はない。

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